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航空会社系クレジットカードを手放す人が増えた理由

TRAVEL · 情報基準日 2026-06-20 · 約3,600字 · 約8分

「ANAカードを長く持っていたけれど、今年は更新せずに解約した」——そういう声を、以前より聞くようになりました。

かつて航空会社系のクレジットカードは、マイルを貯めたい人の「持っていて当然の一枚」でした。ところが近年は、年会費を払い続けることに疑問を持ち、手放す人が一定数いるようです。一方で「やっぱり航空系カードは手放せない」という人も依然として多い。

本記事では、この「航空会社カード離れ」がなぜ起きているのかを4つの角度から整理し、手放したほうがよい人・持ち続けたほうがよい人 を両方の立場から提示します。特定のカードの解約・申込を勧めるものではなく、自分の利用実態で判断するための材料を並べることが目的です。

マイル:「航空会社のカードって、マイル貯めるなら必須だと思ってた。手放す人が増えてるってどういうこと?」

ポルト:「『必須』だった前提が、少しずつ崩れてきたのじゃ。理由を分解してみると、自分に当てはまるかどうかが見えてくる。」

執事H:「結論を急がず、まず背景を4つに分けて確認してまいりましょう。手放すべきかどうかは、その後でご自身の使い方に当てはめて判断するのが安全です。」


背景1: 年会費と「実際に使った特典」が釣り合わなくなる

航空会社系カードの多くは年会費がかかります。一般カードでも数千円、ゴールド以上になると1〜3万円台、上位カードはさらに高くなります。

年会費を払う以上、「その分の特典を使えているか」が問われます。しかし実際には、

という状態のまま、年会費だけが自動で引き落とされ続けるケースが少なくありません。

「元を取る」発想でカードを抱え込み続けると、かえって支出が膨らむことがあります。年会費に対して使った特典の価値が下回り続けると、「これは何のために払っているのか」という疑問が生まれ、これが手放す動機になります。

執事H:「年会費の自動引き落としは、意識しないと『気づかないコスト』になります。年に一度、使った特典を金額に換算して年会費と並べてみる——それだけで判断材料になります。」

この棚卸しの具体的な手順は、マイルカードを増やしすぎた人へ ——年会費・決済額・特典を棚卸しする方法 で詳しく整理しています。


背景2: 「一般カード+ポイント経由」でもマイルが貯まるようになった

かつては「マイルを貯めるなら航空会社系カード」が基本でした。今は、航空系カード以外で貯めたポイントをマイルに移行する ルートが整備され、選択肢が広がっています。

一般的な構図を整理すると、次のようになります。

貯め方特徴
航空会社系カードで直接マイルフライトボーナス・搭乗関連特典が乗る。年会費の有無で還元率が変わる
一般カードのポイント → マイルへ移行普段使いのカードで貯めて移行。移行レート・有効期限が実質還元率を左右する
経済圏のポイント → マイルへ移行日常決済を集約しやすいが、移行経路が長くなりがち

ここで重要なのは、航空系カードでなくてもマイルへの道がある という点です。普段の買い物で還元率の高い一般カードを使い、貯まったポイントをマイルへ回す——この方法で十分という人にとって、わざわざ年会費のかかる航空系カードを持つ必然性は薄れます。

ただし注意点もあります。ポイント経由ルートは、

ため、「表面の還元率」だけで航空系カードより有利と決めつけるのは早計です。マイルとポイントの違い・移行レートの考え方は、マイルとは何か ——ポイントとの違いと価値の考え方 に整理しています。

ポルト:「『一般カードでも貯まる』は事実じゃが、経路が長くなるほど改定リスクと手間が増える。コア経路は安定したものに置く、というのが基本じゃ。」

なお、航空系カードか一般カードかという話の前に、マイルを貯める決済の基本そのものは クレジットカード決済でマイルを貯める基本 で確認できます。


背景3: マイル制度の改悪が続いている

「カード離れ」の心理的な引き金になっているのが、マイル制度そのものの改定です。

近年は、特典航空券の必要マイル数が引き上げられる方向の改定が続いています。たとえば国際線特典航空券の必要マイル数が一部のクラス・シーズンで大きく引き上げられたり、世界一周特典のような大型特典の取り扱いが見直されたり、アップグレード関連の制度が変更されたりといった動きが報じられてきました(具体的な改定内容・適用時期は各社公式で要確認・2026-06時点)。

こうした改定が続くと、

という不安が生まれます。マイルの「貯め時」より「使い時」の価値が読みにくくなると、マイルを大量に貯める前提だった航空系カードの位置づけも揺らぎます。

ただし、改悪一辺倒というわけではなく、改定の中には改善された点が含まれることもあります。「制度は変わるもの」という前提で、そのつど最新の公式情報を確認する 姿勢が前より重要になっている、というのが実態に近いでしょう。

マイル:「せっかく貯めても、使うときに必要マイルが増えてたらショックだなあ……。」

執事H:「だからこそ『出口から逆算して貯める』のが基本でございます。何にいつ使うかを決めずに貯め込むのは、改定リスクをそのまま抱えることになります。」


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背景4: ライフステージの変化で「飛ぶ頻度」が変わる

カードの価値は、その人の生活で決まります。航空系カードが最も活きるのは「年に何度も飛行機に乗る」局面です。

しかし、

といったライフステージの変化で、飛ぶ頻度が下がると、航空系カードのフライト関連特典は使われないまま年会費だけが残ります。

逆に、これから旅行を増やしたい・退職後に旅をしたいという局面では、再び価値が高まることもあります。つまり「カード離れ」は一方向の現象ではなく、人生のフェーズで行ったり来たりするもの とも言えます。

ポルト:「カードは生活に合わせる道具じゃ。飛ばない時期に無理して持ち続ける必要はないし、また飛ぶ時期が来たら持ち直せばよい。」


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手放したほうがよい人・持ち続けたほうがよい人

ここまでの背景を踏まえ、両方の立場を整理します。どちらが正解という話ではなく、自分がどちらに近いかを確認するための表です。

手放す(見直す)候補になりやすい人

持ち続けたほうがよい人

執事H:「特にステータス資格をカードで維持している場合、『使っていないから解約』という単純な基準は危険です。解約=修行のやり直しになり得ます。先に『解約したら何が失われるか』を一つ書き出してから判断してください。」


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手放す前に確認したいこと

「手放す候補」に当てはまった場合でも、解約の前に次の点を確認しておくと後悔が減ります。

  1. そのカードがステータス資格の条件になっていないか(SFC・JGC等は解約で失効しうる)
  2. マイルの有効期限延長などカード保有を条件にした優遇が外れないか
  3. 貯まっているマイル・ポイントの行き先(失効・移行のタイミング)
  4. 解約後のマイルの貯め方を先に決めておく(一般カード+移行など、代替経路を用意してから手放す)
  5. 複数枚を一度に解約しない(信用情報への影響が重なる可能性。1枚ずつ)

カードを整理する全体の手順は マイルカードを増やしすぎた人へ に、解約と保有の判断軸は カード年会費を"元取り"で考えると疲れる理由 にまとめています。


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MP判定 — 航空会社カードを手放すべきか

MP判定:
- お金の合理性: ★★★★☆
  → 使っていない年会費を止めれば実質的な支出減になる。ただし
     ステータス資格・移行優遇を失う場合はマイナスもあるため要確認

- 人生の快適性: ★★★☆☆
  → 管理する枚数が減ると判断コストは下がる。一方、飛ぶ人にとっては
     搭乗特典を失う不便がある

- 自由度アップ: ★★★☆☆
  → 「飛ばない時期は手放し、飛ぶ時期に持ち直す」と捉えれば、
     カードは生活に合わせる道具になる

- おすすめ度: まず「年会費 vs 使った特典」を金額で並べること。
  ステータス資格を維持しているカードは解約前に必ず影響を確認する。

「航空会社カードは持っていて当然」という前提を一度外し、自分の飛ぶ頻度とマイルの使い道で測り直す——それが「カード離れ」の流れから受け取れる、実用的な問いかけだと編集部は考えます。


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参照(情報基準日 2026-06-20)

本記事は一般的な制度整理であり、特定のクレジットカードの解約・申込を勧めるものではありません。年会費・還元率・ポイント移行レート・マイル制度・ステータス資格の条件は予告なく改定されます。解約・申込の前に必ず各社公式の最新情報をご確認ください。

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