陸マイラー入門2026 ——3経路と「自分に合う1枚」
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TRAVEL · 情報基準日 2026-06-07 · 約3,500字 · 約8分
マイル:「『陸マイラー』って、結局何をやってる人たちなの?」
ポルト:「飛行機に乗らずにマイルを貯める人じゃ。クレカ、ポイントサイト、キャンペーン——空を飛ばずに、毎月の生活費をマイルに変換する技術じゃな。」
執事H:「初心者の方が最も混乱するのが、『どのカードを選ぶか』より前の段階——『そもそも経路が複数ある』という事実です。順に整理してまいりましょう。」
まず結論
陸マイラー入門で押さえる点は、次の3つです。
- マイル獲得には3経路ある: 直接積算 / クレカポイント経由 / ポイントサイト経由
- ANA系とJAL系で「貯め方」の設計思想が違う: ANAは「ポイント→マイル変換」が主軸、JALは「直接マイル積算」型が多い
- 年会費との損益分岐は年間決済額で決まる: 年200万円程度を境に、年会費型カードのコスパが浮上する
以下、各経路と主要カードの考え方を整理します。
1. 「陸マイラー」とは何か
「陸マイラー」(Land-based mileage collector)は、飛行機の搭乗マイル(フライトマイル)以外の手段でマイルを貯める人を指す日本独自の通称です。
仕組み上、マイルを貯める方法は概ね次の2系統に分かれます。
- フライトマイル: 実際に飛行機に乗って獲得するマイル
- クレジットカードやキャンペーン等で獲得するマイル(これが陸マイラーの主戦場)
「陸マイラー」は、年間1万〜10万マイル程度を地上の活動だけで積み上げ、特典航空券への交換を目標にする人が多いとされています。
執事H:「『年に1回、家族でハワイ往復(片道35,000マイル前後/エコノミー・ANA特典航空券・路線/季節で変動)』を目標にする方が、最もボリュームが大きいゾーンです。」
2. マイル獲得の「3経路」
陸マイラーの仕組みは、突き詰めると次の3経路にまとめられます。
経路A: 直接マイル積算
カードを使った瞬間に、その金額に応じてマイルが直接付与される。代表例はJALカードシリーズ。
- メリット: 単純・分かりやすい・ポイント期限を気にしなくていい
- デメリット: マイル交換レートの「選択肢」がない(常にJALマイル一択)
経路B: カードポイント→マイル移行
カードを使うとポイント(Vポイント・楽天ポイント・Membership Rewards等)が貯まる。それをマイルに移行する。代表例はANA系カード全般・三井住友カード(Vポイント)・楽天カード(楽天ポイント)・Amex(MR)。
- メリット: ポイントの用途を選べる(現金化・物品交換・複数マイルプログラムへの交換)
- デメリット: 移行レート・移行先・移行回数制限・手数料があり複雑
経路C: ポイントサイト→マイル
ポイントサイト(モッピー・ハピタス・ポイントインカム等)を経由してネット決済・サービス申込を行い、貯まったポイントを各種交換ルート(ANAルート等の「変換チェーン」)でマイルに変換する。
- メリット: 年間数万マイル規模を追加で獲得できる可能性がある
- デメリット: 仕組みが複雑・交換チェーンの改悪リスク・時間と手間がかかる
マイル:「3経路を組み合わせる、ってこと?」
ポルト:「そうじゃ。多くの陸マイラーは、メインカード(経路A or B)+ポイントサイト(経路C)を組み合わせて、年間獲得マイルを最大化する。」
3. ANA系とJAL系の設計思想の違い
主要2社のマイル設計は、根本的に違います。これを理解すると、自分にどちらが合うかが見えやすくなります。
JAL系
- 直接マイル積算型が中心(JAL CLUB-A / JAL CLUB-A ゴールド / JAL VISA等)
- カード決済額 → JALマイル直接付与
- 還元率: 一般カード0.5%、特約店2倍/3倍、CLUB-Aで1.0%相当(2026年6月時点)
- 特典航空券時の燃油サーチャージは課されない(国際線特典航空券・2026年6月時点)
ANA系
- ポイント→マイル変換型が主軸(ソラチカ、ANA TOKYU、ANA VISA、ANA JCB等)
- カード決済額 → 各種ポイント → ANAマイル(移行手数料がかかる場合あり)
- 例: ANA JCB一般カードは「マイル自動移行コース」で年間移行手数料5,500円が発生(その代わり常時1%還元)
- 提携ポイント交換の選択肢が広い(楽天/Vポイント/メトロポイント/Membership Rewards等から流入可能)
- 特典航空券時の燃油サーチャージは加算される
選び方の基本軸
- JAL推し: 仕組みのシンプルさ重視・燃油加算嫌い・直接マイル型が好き
- ANA推し: 提携経路の多様性重視・ポイントサイト戦略を組みたい・燃油加算は許容
執事H:「『どちらが優れているか』ではなく、『自分の使い方に合うか』が判断軸です。両方持つ方もいますが、最初は1社に集中する方が結果が出やすいです。」
4. 代表的なカードの考え方(2026年6月時点)
具体的なカード名は変動が激しいため、ここではカテゴリーごとの考え方を整理します。各カードの最新仕様は必ず公式で確認してください。
A) 年会費無料〜1万円未満
- 主に初心者・年間決済100万円未満向け
- ANA一般カード(年5,500〜7,975円)、JAL普通カード(年2,200円)、ソラチカ(年2,200円)等
- マイル単価の最大化より「まずマイル制度に触れる」段階
B) 年会費1〜2万円(ゴールド層)
- 年間決済100万〜300万円程度の方の主戦場
- ANA VISA ゴールド・ANA JCB ゴールド・JAL CLUB-A ゴールド等
- 移行手数料無料・還元率1%・空港ラウンジ・保険等の付帯特典がコスパに直結
C) 年会費5万〜10万円(プレミアム層)
- 年間決済300万円以上、または海外渡航が多い方向け
- ANA Diners プレミアム・JAL CLUB-A プラチナ・SPGアメックス(Marriott Bonvoy アメックス・プレミアム)等
- 単純な還元率ではなく、ホテルステータス・空港ラウンジアクセス・コンシェルジュ等の総合価値で判断
D) 提携ポイント連携カード
- 楽天プレミアムカード(楽天ポイント→ANAマイル変換)
- Amex(Membership Rewards→ANA/JAL/その他航空マイル)
- 本業はポイント収集だが、必要時にマイル変換するタイプ
5. 「マイル単価」という考え方
陸マイラーの世界では、1マイルの価値を金額換算して比較する習慣があります。
計算例
- ANAマイルで国際線エコノミー往復(ハワイ)35,000マイル
- 同区間を現金で買うと往復 約10万円〜20万円程度(時期で大きく変動)
- 仮に15万円とすると: 150,000円 ÷ 35,000マイル = 約4.3円/マイル
マイル単価の目安
- エコノミー: 概ね 1〜2円/マイル
- ビジネス: 概ね 3〜5円/マイル
- ファースト: 概ね 5〜10円/マイル(場合により10円超)
つまり、上位クラスで使うほどマイル単価は上がる——これが陸マイラーが「ビジネス・ファーストでハワイ・欧州へ」を目指す理由です。
ポルト:「『マイルは1円換算』というのは、エコノミーで現金と比較したときの最低ライン。上手に使えば、もっと価値を引き出せる。」
6. 入門ステップ: 何から始めるか
最初の半年〜1年で押さえるべきステップを、4段階に整理します。
Step 1: ANA/JALどちらに集中するか決める
旅行の行き先・好きな航空会社・燃油の扱いで判断。
Step 2: メインカードを1枚選ぶ
最初は年会費1〜2万円程度のゴールド層が、コスパと使いやすさのバランスが取れる。
Step 3: 決済を集約する
公共料金・通信費・食費・ネットショッピングまで、可能な限りメインカード1枚に集約。
Step 4: 半年経ったらポイントサイトを学ぶ
基本ができてから、モッピー等のポイントサイト経由のマイル変換ルートを学ぶ。最初からこれを始めると複雑すぎて挫折しやすい。
7. 注意点とよくある落とし穴
- マイルの有効期限: ANA/JALとも原則36カ月で失効。期限管理は必須(別記事参照)
- キャンペーン依存の危険: 期間限定の高還元キャンペーンは終了後に大幅減になる。永続条件で比較する
- 複数カード保持の落とし穴: カードを増やすほど年会費が積み上がる。年会費総額>マイル価値だと本末転倒
- 改悪リスク: ポイント→マイル変換レートは年単位で改悪されることがある。最新情報を追う習慣が必要
- 「全部メインカード」は安全側: マニアックな最適化より、1枚集約の方が長期で取りこぼしが少ない
まとめ
- 陸マイラーは3経路(直接積算/ポイント経由/ポイントサイト経由)を組み合わせる
- ANA=ポイント変換多様、JAL=直接積算シンプル、燃油の扱いは正反対
- 入門は年会費1〜2万円のゴールド層を1枚集約が基本
- マイル単価はエコノミーで1〜2円、ビジネスで3〜5円、ファーストで5〜10円目安
- 数値・条件は改定される。手続き前に必ず各社公式で最新確認
「複雑そう」と感じる人ほど、まず1枚に集約してみることをお勧めします。最適化は後からでも調整できますが、まず始めないと何も始まりません。
得する! マイルの貯め方・使い方 最新版(参考ムック)
陸マイラー入門の参考資料として、マイル制度の全体像を1冊で押さえたい方に。ANA/JALの主要カード比較・ポイントサイト活用の入口を網羅。
参照(情報基準日 2026-06-07 / 各社公式)
- ANA公式 ANAマイレージクラブ
- JAL公式 JALマイレージバンク
- 各カード会社公式サイトの最新の還元率・移行レート・年会費(三井住友/楽天/JCB/Amex/Diners等)
各社の還元率・移行レート・特典・年会費は改定されることがあります。発行・切替前に各カード会社公式でご確認ください。
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本記事は陸マイラー(クレジットカード等を活用した非搭乗のマイル獲得手法)の入門的な考え方を中心に整理しています。具体的なカード名・還元率・移行レート・キャンペーンは2026年6月7日時点の各社公式情報および一般的な業界情報に基づきますが、これらは頻繁に改定されます。実際のカード発行・切替・ポイント移行前に、必ず各カード会社・航空会社公式サイトで最新の条件をご確認ください。本記事は情報整理であり、特定のカード・サービスの購入・利用を勧めるものではありません。マイル単価・特典航空券の必要マイル数は時期・路線・改定で大きく変動します。
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