親と旅行できる回数は、思っているより少ない
TRAVEL · 情報基準日 2026-04-07 · 約2,631字
TRAVEL · 情報基準日 2026-04-07 · 約3,200字 · 約6分
マイル:「親と旅行、ちゃんと行ってる? 最後に行ったのいつだっけ……」
ポルト:「「いつか連れて行く」は、時間が解決してくれると思われがちじゃが、時間は逆に削っていく方が多い。」
執事H:「今日は、残り回数を少し現実的に計算してみます。怖い話ではなく、動くきっかけとして読んでいただければ幸いです。」
「いつか連れて行く」が成立しない現実
「親が元気なうちに、どこか旅行に連れて行きたい」と思っている人は多いと思います。
でも、「今年はバタバタしているから来年」「少し落ち着いたら計画する」「もう少し余裕が出たら」——こうして先送りを繰り返しているうちに、ある日ふと気づく。「もう一緒に遠くには行けない体になっていた」という話を、聞いたことがある人もいるかもしれません。
これは後悔の話をしたいのではありません。ただ、現実の数字を一度直視してみると、行動の優先度が変わるかもしれない、という話です。
「あと何回」を、現実的に計算する
あくまで目安として、簡単な計算をしてみます。
親が今70代前半だとします。健康寿命(日常生活に制限のない期間)の平均は、男性が72歳前後、女性が75歳前後とされています(参考: 厚生労働省「健康寿命の推移」2022年公表データ、変動の可能性あり)。
もし親が今70歳で、一緒に遠出できる健康状態が75歳まで続くとすると、残りは5年。年1回旅行すれば、5回。2年に1回なら2〜3回。
親が60代でも、仕事・体力・自分のスケジュールが重なって実現できる旅行は、思いのほか限られます。
この数字を「悲観的だ」と感じる人もいれば、「じゃあ今年行こう」と動き出す人もいます。どちらが正解かではなく、自分がどう動きたいかを意識する機会として読んでもらえれば、と思います。
「行けたらいいな」を「行く」に変えるコスト感覚
旅行を先送りする理由の上位に、お金の問題があります。「旅費が高い」「もう少し余裕が出たら」という感覚です。
ただ、旅費を投資の機会コストと比較した時、どちらが「大きな損失」かは人によって違います。
例えば、国内旅行(温泉・2泊3日・親子3名)の費用は、宿・交通込みで5〜15万円程度が目安です。これは確かに小さな金額ではありません。
一方で、「5年後に同じ旅行ができるか」という確率を現実的に考えると、その旅行の「代替可能性」は低い可能性があります。金融資産で言えば、「今しか買えない非流動資産」に近い性質です。
お金の話として見ると、**親との旅行は「消費」ではなく、代替不可能な「体験投資」**という捉え方もできます。これはMPが考える「人生のポートフォリオ」の一部です。
マイルを使う「ここぞ」の場面
マイルを貯めている人であれば、親との旅行はその活用先として検討する価値があります。
国内線の特典航空券は、ANAもJALも繁忙期を避ければ比較的取りやすい路線があります。例えば、東京〜沖縄・東京〜福岡・大阪〜札幌などの幹線は、早めに申請すれば特典枠が取れることがあります。
費用の大きな部分を占める航空運賃を、マイルで賄えれば、旅行全体のハードルが下がります。「行こうと思えば行けた」という状況をつくることが、先送りを減らす第一歩になる場合があります。
ただし、特典航空券の取りやすさ・必要マイル数・規約は随時変わります。各社の最新情報を公式サイトで確認することをおすすめします。
マイル:「特典で行けるなら、今年計画してみようかな。」
執事H:「繁忙期の特典枠は取りにくいことがあります。日程に柔軟性を持たせると、取りやすくなる場合があります。」
ホテルを「少し良いところ」にする理由
親との旅行で、宿泊先を「いつもより少し良いホテル」にすることを、編集部はおすすめすることがあります。
理由は単純で、**「疲れにくいこと」と「記憶に残ること」**の両面で効果が出やすいからです。
観光地の近くにある安価な旅館も悪くはありませんが、年齢を重ねるほど、移動の疲れが翌日に残りやすくなります。ベッドの快適さ、バリアフリーの設備、朝食の質——これらが旅行全体の満足度に影響する度合いは、若い頃より大きくなることがあります。
「奮発した」と感じる金額でも、回数を絞って1回を充実させる方が、記憶として残りやすい、という声をよく聞きます。旅行の目的が「こなすこと」ではなく「記憶を作ること」なら、宿泊先への配分を少し見直す価値があります。
「行ける今」を使い切る設計
このコラムで伝えたいのは、「急がないと後悔する」という脅しではなく、「行きたいなら、設計する」という提案です。
旅行を実現するには、お金・時間・体力の三つが揃う必要があります。
- お金: 旅費の積立、またはマイルの活用
- 時間: 日程を確保して先に押さえる
- 体力: 親の状態に合った行き先・旅程を選ぶ
三つが揃う窓は、思っているより狭く、そして動かせません。だから「設計する」ことが、先送りを防ぐ実際的な手段になります。
今年の旅行先を決めていないなら、今月中に候補を一つ出してみる。それだけで、実現可能性はかなり変わります。
ポルト:「「いつか」は来ないことが多い。「今年の○月」に変換した瞬間から、現実になり始める。」
まとめ
「親と旅行できる回数は、思っているより少ない」——これは不安を煽るための言葉ではなく、「だから今年、一回行ってみる」という行動の引き金にするための言葉です。
残り回数を計算すること、マイルや旅費の設計をすること、日程を先に確保すること。
それが、後から「行っておいてよかった」と思える記憶を、今のうちに作ることにつながります。
マイル:「今年の夏、日程が取れないか調整してみる。」
執事H:「よい旅になるよう、早めの日程確保と特典枠の確認をおすすめします。」
ポルト:「記憶は、積み立てておけるものの中で、一番減らない資産じゃ。」
※本記事の健康寿命の数値は参考値です。個人差があり、公表データも更新されることがあります。旅行先・費用は一般的な目安であり、実際は時期・条件により異なります。情報基準日は2026年4月7日です。
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